日本人の死因の3割を占めるがん。将来の不安に備え「がん保険」に入る人は多い。ただ、不安にかられて十分に検討せずに加入すると、必要以上の保険料まで払い続けることになりかねない。がん保険を考える上で押さえた方がいいポイントをまとめた。
がんになったら保険がきかないんでしょ?」。ファイナンシャルプランナー(FP)の内藤真弓さんはそんな誤解をよく耳にする。国民病と言われるがんへの恐怖心は強く、医療費の自己負担が高額というイメージも強い。
■上限額超せば還付
実際はほとんどのがん治療が公的な医療保険の対象で、現役世代の自己負担は3割。さらに「高額療養費制度」を申請すれば、毎月の上限額を超えた分は戻ってくる。例えば70歳未満で一般的な所得の人の場合、1カ月の医療費が100万円かかったとしても窓口負担は30万円。そこから21万円以上が還付され実際の負担は9万円足らずだ。
アメリカンファミリー生命保険(アフラック)ががん経験者に治療全般にかかった費用を尋ねたところ「100万円程度」までが66%。多くの場合、貯金をしていればその範囲で賄えたことが分かる。
とはいえ、がんは転移や再発で入退院を繰り返すリスクをはらむ点で他の病気と一線を画す。病気やケガを幅広くカバーする通常の医療保険でもがんの医療費は出るが、入院給付金の支払日数が限られているなど給付が薄い。その点、がん保険は対象をがんに絞る代わりに比較的安い保険料で手厚い保障を受けられるのが特徴だ。
主ながん保険に共通しているのは、入院日数が無制限で1日当たり1万円といった入院給付金を何日分でも受け取れること。がんと診断された時点で100万円単位の「診断給付金」が支払われ、再発した場合は何度でも給付されるタイプもある。ただ、加入時点でがんの疑いがあった人への給付を防ぐため、契約後90日間あるいは3カ月間にがんと診断されれば契約が無効になるものがほとんどだ。
医学の進歩と通院治療を奨励する国の施策により、がん治療の入院日数は減少傾向。それに伴いがん保険も変わってきた。
かつては入院を手術給付金の給付条件にしたものが多かったが、NKSJひまわり生命の「勇気のお守り」は入院しなくても通院1日につき1万円といった外来治療給付金を年間120日、通算無制限に給付する。アフラックの「デイズ」は手術に加えて放射線、抗がん剤治療を手厚く保障。富士生命の「がんベスト・ゴールド」は診断確定の時点で最高500万円が一括給付される。
ベースとなる主契約にオプションとして追加するのが特約で、種類も多い。公的医療保険の給付対象外となっている先進医療の保障や、乳がんといった女性特有の病気になったときに上乗せ給付するなど様々だ。「考え方の軸を持っていないと、保険会社に勧められるままに保険料が高くなりがち」と生命保険文化センターの田名部雄一さんは指摘する。

■何が必要か明確に
ポイントの1つは「自分が必要な保障をはっきりさせること」(田名部さん)。受けたい医療や費用を把握した上で具体的な治療の経過をイメージしてみる。例えば、気落ちした状況でも大部屋で入院できそうか、それとも差額ベッド代を自己負担で支払って個室に移りたいか。その差でも必要額は変わってくる。
家計との兼ね合いも重要だ。内藤さんは「貯蓄がまだ少ない現役世代にがん保険は有効」と話す。万が一の時に医療費と収入減を支えてくれるからだ。ただ、保険料はあくまでも貯蓄を殖やせる程度にとどめる。「貯蓄はどんな病気にも使える『自家製保険』」という考え方だ。
FPの竹下さくらさんも「民間の保険は貯蓄では賄えないまさかの事態に備えるもの」という点を強調。「掛け捨てとなる保険の場合、月の保険料は手取り収入の5~10%。毎月の貯蓄額よりも少なくなるように設定する」という目安を提示する。
もう一つ悩むのが期間限定の「定期保険」か、保障が一生続く「終身保険」か、という選択。定期保険は若いうちは保険料が安く、年齢を重ねるほど高くなる。国の医療制度の変化や医療の進歩に合う保険を柔軟に選べる半面、一度がんになってしまうと入れない。
対する終身保険は若いうちから保険料が変わらず高齢になってからは割安。生涯に渡り一定の保障を手に入れられる代わりに、制度や医療の変化に対応できない可能性がある。ともに一長一短あり、専門家の間でもどちらを取るかは分かれる。
月々数千円の保険料も、払い続けると数百万円に達することもある。家族構成や貯蓄の状況、不安の度合いなどを総合的に考え自分で判断するしかない。「納得するまで保険会社に質問してほしい。簡単にはサインしないこと」と田名部さんは助言する。(下前俊輔)
火災保険で竜巻は補償できる
2012年5月6日に茨城県と栃木県で発生した竜巻や突風による建物への被害はほとんどの場合、火災保険る(賃貸の場合は家財保険)の補償の対象になっていことから、損害保険各社は、被害に遭った人は加入している保険会社や代理店に問い合わせてほしいと呼びかけています。
■住宅の被害について
損害保険各社によりますと、ほとんどの場合、「火災保険」は火事だけでなく、台風や竜巻などの「風」や、「ひょう」、「雪」などで建物が壊れたりガラスが割れたりする被害も補償の対象になっており、今回の竜巻や突風による建物への被害についても保険金が支払われます。
ただし、「風災、雹(ひょう)災、雪災」の補償をセットしていない場合(風災を外した場合)は、竜巻による被害は補償されません。
建物を元の状態に直すためにかかった費用の全額が支払われるタイプの契約をしている人が多いということです。
また、被害が一定の金額を上回らないと補償されない契約をしている場合もあります。
一方、「地震保険」に入っている人は必ず火災保険にも入っているため、同様に補償の対象になります。
このほか、自動車の「車両保険」に入っていれば風で飛んできた瓦などで車が壊れるなどの被害が補償の対象となります。
損害保険各社は、被害を受けた人は、加入している保険会社や代理店に問い合わせるよう呼びかけています。
■車の被害
自動車が吹き飛ばされて、損傷するだけでなく、人や他の住宅にも迷惑をかけることがあります。
一般的に大半の自動車保険で適用可能とのことです。
一部適用外の一例は「対車のみに適用されるエコノミー保険」とのこと。
自動車自体の損害も自動車保険の車両保険に加入していれば支払われるとの事。
ただし、プランによって補償内容が変わる場合もあり、3.11の時の津波被害では車両保険は適用になりませんでした。
津波の場合、「地震・噴火・津波車両損害」特約をつけていれば別ですが、この特約を付帯している人は少なかったようです。
■人の被害
ケガをした場合の治療費については、傷害保険および医療保険で補償できます。
ただし、入院しないと支払われない場合が多いため、軽傷の場合は補償されないと考えたほうがよいでしょう。
一時払い終身保険は元本割れに注意!!
銀行の窓口で販売され、契約時に保険料を一括して払う「一時払い終身保険」のトラブルを巡る相談が急増している。国民生活センターへの相談件数は2009年度に比べ、昨年度は約4倍。中途解約では「元本保証」されないケースが多く、定期預金と混同して契約する高齢者が目立つ。背景には銀行の窓口で手軽に契約できることがあるとみられ、同センターは注意を呼びかける。
「こちらの方が得」。福島県の80歳代の女性は数年前、定期預金の申し込みで訪れた銀行で、行員に、ある商品を勧められた。契約時は定期預金の一つと思ったが、自宅に届いた書類で、一時払い終身保険に500万円を払ったことに気づいたという。
東日本大震災で壊れた住宅の修理でお金が必要になり、銀行に解約を依頼。20万円の損になると言われた。
千葉県の70歳代の男性は自宅で1500万円の一時払い終身保険を契約。1年後、銀行に解約を申し出たところ、返還金は1430万円と言われた。男性は「元本割れするとの説明はなかった」と訴える。
国民生活センターによると、一時払い終身保険の相談が急増したのは、10年ごろ。各銀行は販売手数料収入を拡大するため、窓口での保険商品の販売を強化。銀行窓口での終身保険の販売件数のうち、一時払い終身保険が大半を占めるという。販売の伸びに伴い、相談件数も増加。
10年度の42件から昨年度は99件に上った。内訳は80歳以上(39.2%)が最も多く、70歳代(36.6%)、60歳代(15.1%)が続く。相談者の平均契約額は973万円で、最高契約額は9000万円だった。
相談には解約金の減額などのマイナス面の説明不足だったり、保険の勧誘であることを告げないまま、説明に入るため、消費者は元本割れのない預金と誤解して契約するケースが目立つ。
同センターは「銀行からの勧誘ということもあって、安心して契約する傾向がある。契約概要などの資料をよく読んで理解してから、契約してほしい」としている。
医療保険の支払限度日数の考え方
医療保険を選ぶときに必ず確認していただきたいのが「支払限度」の項目です。医療保険で支払われる給付金等の支払日数や支払回数には限度があり、将来の支払額にも影響する重要な項目の1つとなります。しかし、お客様にヒアリングさせていただくと、保険パンフレットなどの給付金額や保険料、そして保険期間は確認しても、支払限度の項目まで確認している方は意外と少ないように思います。
まずは、支払限度がどういうものかみていきましょう。今回は、多くの医療保険で取り扱いのある、病気やケガによる入院をしたときに支払われる「入院給付金」を参考にしました。
■支払限度日数の取り扱いは商品により様々
入院給付金の支払額は、「入院給付金日額(入院1日分の支払額)×入院日数」と計算します。しかし、「1入院の支払いの限度日数」と「通算の支払いの限度日数」(以下、「1入院支払限度日数」、「通算支払限度日数」と表記します)が定められている場合、限度日数を超えて入院給付金を受け取ることはできません。なお、1入院は1回の入院とも表現されています。
1回の入院(入院してから退院まで)となる入院をした場合は1入院支払限度日数まで、その後、別の入院をした場合も、それぞれの入院において1入院支払限度日数まで入院給付金を受け取ることができます。ただし、受け取れるのは通算支払限度日数(通算して受け取れる限度日数)の範囲内となります。
ここで知っておきたいのは、商品(=医療保険商品)により支払限度の取り扱いは異なること。例えば、1入院支払限度日数は60日、120日、180日など、通算支払限度日数は730日、1,000日、1,095日など、それぞれにタイプがあり、タイプを選択できる商品、あるいは1つのタイプに絞っている商品に大別されます。なかには、1入院支払限度日数と通算支払限度日数が同じ日数で設定されている商品もあります。
最近は、1入院支払限度日数と通算支払限度日数が定められている入院給付金でありながら、がんの治療による入院のみ、支払限度日数を超えて支払われる(支払日数無制限)商品も登場。商品内容も多様化していますので、1入院支払限度日数および通算支払限度日数は、複数の商品を比較して決めることをお勧めします。
ちなみに、同じ保障内容の入院給付金の保険料を比較すると、1入院支払限度日数および通算支払限度日数は、日数が長くなるほど保険料は割高になります。
■再入院の開始日により支払額は異なってくる
退院後に再入院した場合の取り扱いは、やや複雑になってきます。ポイントとなるのは、「再入院が、1回の入院と別の入院のどちらに該当するか」です。それを知るためにも、1回の入院と別の入院、それぞれの考え方を押さえる必要があります。
2回以上の入院の取り扱いは、同じ病気(医学上関係がある病気含む)を原因として再度入院した場合は、前回の入院と合わせ、継続した1回の入院とみなされます。ただし、前回の入院の退院日の翌日から180日を経過して再度入院した場合は、別の入院となります。つまり、再入院の開始日が、退院日の翌日から180日を超えるか超えないかにより、1回の入院と別の入院のどちらに該当するか決まってくるのです。
ここからは、病気で入院して、退院後に再入院した3つのケースについて、図を使ってご説明します。
<入院給付金の支払い条件>
●日帰り入院から受け取れる
●1入院支払限度日数:60日
●通算支払限度日数:1,095日
(1)180日以内に再入院したケース(前回と同じ病気)
40日入院(入院A)した後、退院日の翌日から180日以内に、同じ病気で50日入院(入院B)した場合 →入院Bは「1回の入院」とみなされます

(2)180日経過後に再入院したケース(前回と同じ病気)
40日入院(入院A)した後、退院日の翌日から180日を経過後に、同じ病気で50日入院(入院B)した場合 →入院Bは「別の入院」とみなされます。

入院Aと入院Bを別の入院として取り扱います。入院A、入院Bともに1入院支払限度日数の範囲なので、入院Aについては40日分、入院Bについても50日分を受け取ることになります(=入院給付金の支払いは90日分)。
(3)別の原因で再入院をしたケース
40日入院(入院A)した後、退院日の翌日から180日以内に、別の原因(因果関係がない病気やケガ)で50日入院(入院B)した場合 →入院Bは「別の入院」とみなされます。

前回の入院と因果関係がない場合、180日以内に再入院しても別の入院とみなされます。入院A、入院Bともに1入院支払限度日数の範囲なので、入院Aについては40日分、入院Bについても50日分を受け取ることになります(=入院給付金の支払いは90日分)。
3つのケースからわかることは、前回と同じ病気で再入院しても、別の入院とみなされる場合があること(2のケース)。別の入院とみなされた場合は1入院支払限度日数が0からカウントされ、1回の入院とみなされた場合は前回の入院日数と合わせて1入院支払限度日数がカウントされるため、入院日数によっては超えた入院日数分が支払いの対象外となることです(1のケース)。
再入院については、各商品のほぼ共通した取り扱いとなっています。ただ、一部の商品は、異なる病気を原因とした入院であっても1回の入院とみなしています。また、別の入院を「新たな入院」と表現している商品もあります。
1入院・限度日数とは
医療保険
妻の生命保険は支出減を計算すべき
「保険加入を促す方向での情報提供ばかりではマズいのではないか?」
配偶者の保障について、複数の保険会社のホームページで言及されている事柄を確認しながら感じています。
家事を外部委託した場合の費用を提示している例を引いてみましょう。
「専業主婦1人あたりの無償労働額は年間約300万円といわれています。奥さまが毎日されている家事を金額に換算するとこんなにも大きくなるのですね! それゆえ、奥さまが亡くなったり、介護が必要な状態となった場合に、家事や育児を外部サービスに頼んだときの費用についても考えておくことが大切です」とあります。
内閣府経済社会総合研究所の平成21年「無償労働の貨幣評価の調査研究」から推計された数字のようです。年間300万円、つまり月額25万円の内訳を見ると、20万3000円が「家事と買い物」の評価になっていて、総額の81%超を占めています。
素朴に、あくまで参考程度にすべき数字だと感じます。「家事と買い物」の評価については、納得感や満足度など、個人差が大きいだろうと思われるからです。また、有事の際は、ある程度手を抜いても構わないのではないか? とも感じます。
残りの内訳はというと、育児3万6000円、介護・看護6000円、社会活動5000円で、計4万7000円です。私だったら、こちらの数字を踏まえた上で、残りの8割超は、弾力的に対応すべき、と考えたいと思います。
また、別の保険会社では、子供が小学校に上がる前に、母親に万が一のことがあった場合、保育園や託児所の利用にお金がかかったり、父親が時短勤務等の措置を取ったり、在宅勤務等が出来る仕事内容に変更する収入が減ることが考えられるとしています。
さらに、夫が遺族年金の受給対象にならないことが多い事実にも触れてあります。たしかに、そのとおりだろうと感じます。
他にも様々なマスメディアで、ベビーシッターやホームヘルパーにかかる費用や、食事の宅配サービス利用による支出増に言及するファイナンシャルプランナーなどの発言に触れることは、珍しくありません。
配偶者の万が一の際の「支出増」と「収入減」の理由としては、どれも間違っていないと思います。ただ一点、私には納得がいかないことがあります。
「支出減」が見込まれていないからです。配偶者が死亡した場合、食費や洋服など支出負担が軽減します。生命保険協会では、夫婦子供2人の家庭における遺族のための「必要な保障額」を計算する際は、世帯主の死亡前の生活費の7割、その後、子供が自立した後は5割として計算しています。
「どうして7割や5割になるのか?」という素朴な問いに対し、明確な回答が示してある例を私は知りません。しかし、「最初は世帯主1人分、次は子供2人分の生活費が減る」と考えられているのは間違いないはずです。
それは、配偶者の死亡については勘案しなくてもいいことなのでしょうか。世帯主の死亡の場合、その後の生活費が30%減るという前提で試算を行うことになっていて、配偶者の場合には、支出増と収入減だけが語られるのは、不自然だと感じます。
仮に月々の生活費が30万円の家庭で、30%支出が減ると9万円です。収入減との兼ね合いがあるとしても、先に引いた育児などにかかる費用などは、保険に加入しなくても賄える計算になります。一考に値するはずです。
最後に、配偶者の死亡保障を確保したい向きは、期間限定の備えに徹することだと思います。「お葬式代くらいは準備しておきましょう」と200~300万円くらいの一生涯の死亡保障がある「終身保険」が案内されがちですが、老後の死亡は不測の事態ではありません。
勤務先の「団体保険」の利用や、「都道府県民共済」などを視野に入れて、料金負担を抑えることを優先すべきでしょう。
